沖縄産直市場でも大人気!沖縄を代表する食材のひとつ、海ぶどう。
みなさん、海ぶどうがどのように収穫されているのかご存知でしょうか?
今回は、沖縄産直市場で販売している海ぶどうの養殖を担っていただいている具志堅さんにインタビュー。
こだわり抜いた海ぶどうの秘密をお届けいたします。
海ぶどうはどういった工程で栽培されるのでしょうか?
まずは植え付けから始まります。
植え付けの時に重要なポイントというのがありまして、それをやって育成が始まります。
餌や肥料を与えて、それから夏場だと40日から60日、冬場で60日から80日で出荷に至ります。
もずくやアーサに比べると栽培が難しくデリケートと聞いたのですが、養殖の際どんな点に気をつけていますか?
出荷する際にとても気を付けています。
海ぶどうが綺麗に育ったとしても、出荷する工程で水槽との温度差ができるので、縮んだり、作業中に潰れたりします。
そういった意味でデリケートです。それで、出荷の時には、注意して水切りしたり養生期間を長くしたりする事で調整しています。
この天井にぶら下げている黒い網のような物は何でしょうか?
太陽の照度を上げると、水の中にケイソウという雑草が生えてきて、海ぶどうの成長を邪魔してしまいます。
その対策のため、この黒い網で太陽からの照度下げて、抑えています。
養殖の施設は海沿いではないと難しいのでしょうか?
ここは「掛け流し型」といって、直接、海水を海から引っ張って来て、また海に戻すという方法で行っています。
「循環方式」という育て方もあるのですが、循環方式を採用すると、どうしても病気等が発生した時に、1つの水槽ではなく全部に病気が広がってしまい、大きな損害を被ってしまいます。
それを防ぐためにうちは掛け流し型にしています。
掛け流し方ですと、海から直接海水を引いているので、エビとかカニ、プランクトンが入ってきます。
でも、このプランクトンがケイソウなど成長を防ぐ雑草を食べてくれるので、プランクトンが居るに越した事はないんです。
ただ、プランクトンが商品に混在してしまいますとお客様からのクレームになりますので、それを取り除く作業を一つ一つ行っています。
プランクトンを取り除く作業というのはどの様な事をしているのでしょうか?
最初に酸欠状態を作ります。海ぶどうは植物なので、酸素に強いです。
プランクトンは甲殻類でして、ある程度、酸欠状態を作ると死んでしまいますが、海ぶどうは生き続けます。
その加減を上手く利用しています。
酸欠状態を作って、死滅させても95%くらいしか除去できません。
あとは目視で一つ一つ取り除いていますが、どうしても海ぶどうの粒と粒の間に入ってしまったプランクトンが見つけられないという事はあります。
なぜ、海ぶどうの養殖を始めようと思ったのでしょうか?
元々、南城市の知念という事で19歳から車海老の養殖の会社に勤めていました。
それから海ぶどうの養殖を学び、それから独立して海ぶどうの養殖を自分で始めました。
会社を創業すること自体も大変でしたが、海ぶどうはとてもデリケートなのと、まだ創業した当時は、海ぶどうが市場で売れるか売れないか分からない状況でした…
それでも、前職の会社のお陰で、県外にある取引先などを通じて市場を開拓する事が出来ました。
沖縄の人は海ぶどうをよく知らない、またあまり食べないイメージありますがどうでしょうか?
そうですね、沖縄の人は海ぶどうをよく知らないし、なかなか食べないです(笑)
納豆もあまり食べないですよね(笑)
でも最近は慣れて来たようで、少しずつ県内でも消費され始めています。
子供達は海ぶどうが大好きですよ。
今はまだ少し高額ですので、県内ではまだ浸透はしてないですが、これからは食べる人が増えるでしょうね。
海ぶどうの収穫時期というのはありますでしょうか?
海ぶどうは年中収穫できます。ただ夏場は早く、冬場は遅いです。
冬場の方が粒のつき方が良いです。
冬場は県外に送る工程で、気温が変化するので、粒が小さくなってしまいます。
なので、あまり出荷ができないので沖縄県内の需要が多くなっています。
県内でどの地域が海ぶどうの出荷量が多いのでしょうか?
久米島が一番、次が糸満市、そして恩納村だと思います。
うちだと出荷量は県内3本の指に入ると思います。
こちらの養殖場の特徴があれば教えてください。
植え付け時のポイントというのがとても重要でして、植え付けをしてからの1週間が勝負です。
これまでやっている中で、海ぶどうがしっかり育たない時期もありました。
ツルしか出て来なく、海ぶどうが全くつかない状態で、栄養が行き渡ってなく、溶けてしまうこともありました。
色々と研究を重ねて、植え付けてから4、5日間に栄養をしっかり与えて、ぶどうの実が成るようにしました。
この最初のポイントを重要視することで、品質の高い海ぶどうを育てることができ、大きなシェアを取っていきました。
他の養殖場との違いは何でしょうか?
この植え付けのポイントを重要視しているのはうちだけだと思います。
植え付けから最初の1週間で品質の良し悪しが決まります。
日照時間、気温に関しては、他の養殖場とほぼ同じだと思います。
ビニールハウスの中で海ぶどうを育てていますが、夏はビニールハウスを開けて、風通りを良くして温度を下げています。
クーラーもかかってないのに、案外涼しくないですか?
冬は寒いので、ビニールハウスを閉めて温度を上げています。
海ぶどうは19度以下になると成長しないので、温度をしっかり管理しています。
水温の調整は日光とビニールハウス内の温度に加えて、水量の調整をしています。
これが海ぶどうの定番の育て方になります。
できるだけ、クーラーやヒーターを使わない、自然方式で育てるようにしています。
海ぶどうの養殖をしていて大変な事は何でしょうか?
やはり、品質にばらつきがあることです。
一生懸命育てていても、良いものもあれば、悪いものも出てきます。
また、照度によって、雑草が生えてきて成長を邪魔したりします。
太陽の動き、その光が品質に影響しますので、上の黒い布を綺麗に貼り付けないように、太陽の動きに合わせて貼り付けをしています。
バラバラに手入れしてないように見えますが、実はこれが太陽の光、照度を上手く活用して温度を調整するポイントなのです。
台風が来たら大変です…全てネットも片付けて、ハウスを閉めます。
今は慣れましたが、最初の頃は大変でした…
海水を引っ張ってきてますので、雨が降ると海自体の塩分濃度が下がったりするので、成長に影響が出てきますのでその調整も大変です。
新型コロナウイルスの影響はありますか?
やはり観光業界が厳しいので、その影響はありますが、県外の市場が動いていますので、県外市場に助けられています。
やりがいはどういう時に感じますか?
豊作の時に喜びを感じます。
育った海ぶどうを見て、綺麗に育っているなぁ~って思いますよ(笑)
苦労して育てていますので、綺麗に育った海ぶどうを収穫する時は嬉しいですね。
海ぶどうのオススメの食べ方はありますか?
直接、タレをかけて食べるのも美味しいけど、やっぱり丼が美味しいですね。
ご飯の上にマグロの漬けを乗せて、海ぶどうを一緒に食べると最高ですね。
最後にお客様へメッセージをお願いします!
美味しい海ぶどうを作らせて頂いていますので、ぜひ美味しく頂いてリピーターになってください!!(笑)
ありがとうございました!
いかがでしたか?
海ぶどうがどのように養殖されているのか、そしてどんな想いで海ぶどうを作られているのか。
少しでもお分かりいただけたかと思います。
こだわり抜いた品質。極上のプチプチ食感。
ぜひご自宅でご賞味くださいませ!